8月12日に火事がおきました
お久しぶりです。嘉門の大将です。久しぶりの投稿でびっくりすると思うのですが、お盆を控えた12日の19時頃に火災が発生しました。
人的被害もなく、建物もほとんど焼けませんでした。ただ、店舗部分の一階は今も停電したままなので営業することが困難な状況となっています。
工務店もお休みなのでお盆明けまでは何も出来ないので、歯がゆいですが、今できる事を前向きに取り組んでいこうと思います。
原因は焼き場の炭の火力が長時間にわたり天井裏の柱を炭化させそこに火が付き火災が発生しました。天井裏がそんなことになっているとは思いもしませんでした。
営業中の出来事だったので、すぐに気づくことが出来ましたがこれが営業時間外の出来事でしたら、店舗兼住宅としている物件なので今頃店舗も私達家族も存在していなかったかと思うと本当に不幸中の幸いでした。
火事が起きたときは営業終了間近でしたのでお客様も3名様のみでした。しかも奇跡的にお客様の一人が元消防士さんでひるむことなく身を呈して初期消火をして下さいました。こんな奇跡みたいなドラマみたいな事があるんですね。
この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
初期消火が終わり外に避難して嘉門を外から呆然と眺めていると一度鎮火したはずなのに、建物全体から炎は見えないけど煙が上がってきました。後から聞いた話しですが、どうやら煙は梁を伝って先に流れていき、その後に火が追いかけていくらしく煙が先にあがっていたのでいつ火がついてもおかしくない危険な状態だったらしいです。
煙があがってきたと同時に『家の中から大事なものをもって来てください!!』と消防士さんに言われました。
もうその頃には動く気力が無くなっていて、その言葉を聞いた時点で『あーもう終わったな・・・』と思いました。それまでは明日の営業どうしよう。片付けまだたくさん残ってるなー。とまだ楽観的に考えていたけど、覚悟を決めないとダメなんだと悟りました。
パニックになりながら家に戻り大切なものを取りに行ったけど、たいして大切なものって無いな。って頭は冷静でした。しかし子供たちのランドセルやバック、写真などが目に入った時にここでの思い出が一気にフラッシュバックして感情が崩壊して泣けてきました。
泣いている場合ではないので、手に持てるだけの荷物をもって外に避難しました。もう絶望感で一杯でした。また呆然と建物を眺めていると、徐々に煙が落ち着いてきました。そして火があがることなくそのまま鎮まってくれたので少しだけホッとしました。消防士さんからも、『もう大丈夫です』と声をかけてもらいました。
運がいいことに、住居スペースは全く問題なく生活できる事はせめてもの救いでした。
こんなことが自分の身に起きるなんて思いもしませんでした。不幸なことを経験すると、今までの当たり前が本当にありがたいことで、当たり前ではないんだと気付かせてくれます。僕自身仕事の忙しさを理由に、日々の当たり前に感謝する気持ちが少なくなってきていたのかもしれません。
一年の中でも一番のかき入れ時にこんな事になってしまって、落ち込んだし、痛い代償ですが、大切なことに気づかせてくれたようにも思います。
そして、二年生の長男は落ち込んでいる僕の顔を見て、何も言わないけどとても心配そうな目で僕の目を見てくれました。その目を思い出すと泣けてきます。4歳の次男はどこで覚えたのか分かりませんが『ドンマイ』とサラッと軽い感じで元気づけてくれました。この子たちと嫁さんが無事でいてくれて本当に良かった。
火事が起きた当日は寝ることも出来ず、絶望感と疲労で動くことも出来なかったけど、皆様からの激励のお言葉や暖かいお言葉が本当に心に染みて、折れかけていたメンタルも徐々に回復して、今は再スタートに向けてできる事を前向きに取り組んでいきたいと考えています。
命さえあればなんだってできる。だからまた必ず復活して、嘉門のうなぎをたくさんの人に食べてもらえるように心を新たに頑張ります。
長文にお付き合い下さりありがとうございました。