自己紹介④(緊急帰国?)

ハワイに到着して、オーガニックファームでWWOOFをしていた僕たちでしたが、数日が過ぎたころから嫁さんの体調が優れないことが多くなってきました。ひどい時は立っていられず、横になって数時間しないと何もできない位でした。これは何か原因があると思い、病院にいかないとダメかと思いましたが、僕らは海外に行く際の保険に何も入ってなかったので病院に罹ることは出来ず。

保険なんていらないと思っていたけど、こうゆう時こそ保険に入っていればと後悔しました。アメリカで保険なしで病院で治療すると何百万することもあるらしく恐ろしくて行けませんでした。

しばらく様子を見るしかなかったのですが、調子いい時は全然大丈夫で、悪いと吐き気も襲ってくる日もありました。これはもしかして・・・考えられる事として、『妊娠かも』となり、きらきらとした観光客だらけのアラモアナショッピングセンターでバックパックを抱えた僕たちは妊娠検査薬を買いました。

帰って検査をしてみると嫁のお腹の中には命が宿っていました。新しい命が生まれるという現実に直面した時、僕らのさすらい魂も、放浪欲も、スーッと消えていきました。

ちなみにその後の旅のプランはといえば、メキシコ行きのチケットは購入済みで、その後マイアミに行き当時イチローがマイアミでプレーしていたのでイチローの試合を見て、いよいよ僕らが一番の目的地にしていたヨーロッパに入り、イタリアに行くという予定でした。しかしお腹の子が安全に、元気に生まれてきてほしいという想いのほうが強くて、すぐにメキシコ行きの飛行機をキャンセルして、日本行きのチケットを購入して日本へ緊急帰国しました。

結局あれだけ憧れたイタリアに行くことは出来ずに世界一周(結果的に半周位)の旅は終わってしまいましたが、結果的にうなぎ職人になりうなぎ屋を開業したし、今ではイタリア人に憧れてもいないし(笑)、何ならうなぎは世界一美味しいと思うし、イタリアンシェフよりうなぎ職人の方がかっこいいし、僕にはあっていると思うし。

こうして9か月間に及んだ旅はマレーシア、タイ、カンボジア、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイの6か国を巡る旅でした。夫婦二人で旅をして、二人で色んな国の美しい景色を見て、色んな人に出会い、色んな物を食べて、嬉しいこと、しんどい事等たくさんの事を二人で共有しました。二人で共有することは夫婦の絆を深くしたし、今でも共通の場所や、景色、人物、食べ物の思い出話しに花を咲かせることも度々あります。

旅人の格言で『どこに行くかよりも誰と行くか、何を食べるかよりも誰と食べたか、何を見たかよりも誰と見たか』という言葉があります。この言葉の意味を身をもって体験することができました。浅く上っ面の関係性の人が何人もいる事よりも、近くにいてくれる家族の存在や、同じような志を持った仲間がいれば、人生はより輝いたものになっていくのではないかと思います。

さて、日本に帰ってきた僕らですが、実家はあるもののいつまでもお世話になるわけにはいかず、家もない。ましてや住所もない、職もない、お金もない。そんな状況からあと半年ほどでお腹の中の子は生まれてくるそんな待ったなしの状況でした。

つづく