古今伝授の里の水
古今伝授の里の水とは、嘉門のある場所から山あいに1キロほど登ったところの地下からくみ上げた名水として名高いお水です。この水は嘉門に併設する母情で有名な平野醸造様が酒造りの為だけに専用で汲み上げ、庭園内に引き込んでいます。
平野醸造様と土地を共有している嘉門でしか使用することのできないとても、とても貴重な『水』です。
いにしえから『いい水のある所に銘酒あり』と言われており、それほど古今伝授の里の水はまろやかで、ミネラルが沢山含まれ、健康不老長寿に効能があるともいわれている水です。
嘉門では問屋さんからうなぎを仕入れた後に、古今伝授の里の水で二日間ほど泳がせています。ひんやりと冷たく綺麗な古今伝授の里の水でうなぎを泳がせることにより、うなぎ特有の臭さが消え、地下水の冷たさで動きが鈍り、脂のノリもさらに良くなります。この行為を『うなぎを立てる』といいます。この立てが不十分だと職人しか分からないレベルですが焼いていても色が悪かったり、タレののりが悪かったりします。
そして一番嫌なのが泥臭さの原因になることです。
うなぎには川魚特有の泥臭さがありますので、敏感な方は口に入れた時にすぐに分かります。この泥臭さを感じてしまうと一気にうなぎを敬遠することになると思います。この泥臭さはかば焼きにしてしまうと、どうすることも出来ないので、綺麗な酒造りにも使用される古今伝授の里の水で泳がせ『うなぎを立てる』ことで、泥臭さを除去していきます。うなぎを食べる前の大切な仕込み作業になります。
また嘉門のお吸い物や、お米を炊くときなどにも古今伝授の里の水を使用しています。嘉門のうなぎを語るうえで外すことのできない『古今伝授の里の水』。郡上の大地の恵みに感謝。