【郡上でうなぎを焼くということ】岐阜・嘉門の“裏話”、すこしだけ
こんにちは。郡上市大和町のうなぎ専門店「嘉門(かもん)」です。
きょうは、ちょっとだけ“うなぎ屋の裏話”を。
普段はあまり表に出さない話ですが、「へぇ〜」と思ってもらえたら嬉しいです。
■ 郡上でうなぎを焼く、という贅沢
まず最初にお伝えしたいのが、
「郡上でうなぎを焼ける」ということそのものが、すでに贅沢だということ。
郡上といえば水が綺麗な町。
当店では「古今伝授の里」の湧き水で、仕入れたうなぎをしばらく泳がせます。
これがね、実はとても重要なんです。
山の清水でじっくり身をしめたうなぎは、どこかすっきりとした味になる。
「しつこくないのに、旨みがある」って言われるのは、この工程のおかげなんですよ。
■ 実は…タレに“幻の溜まり”が使われています
うちのタレ、ちょっと濃いめで、香ばしさの中に丸みがあります。
その秘密は、地元・郡上の畑中商店さんが昔から“身内だけで使っていた”という隠し地溜まり醤油。
これは市販されていない、いわば“門外不出”の味。
酒蔵の町・郡上だからこそ残っていた奇跡の調味料です。
正直、うなぎよりもこのタレが手に入らなくなるほうが怖い…ってくらい大事にしています。
■ 焼き台と客席が離れている理由
「焼いてるところ、見えないんですね」と言われることがあります。
はい、うちは焼き台が別にあるんです。これ、実はあえてそうしてるんです。
炭火でじっくり焼くうなぎの香りって、すごく強い。
食事中のお客様に“煙まで浴びさせる”のは違うなと。
焼きは焼きに集中して、食べる空間は落ち着いていてほしい——
そんな思いから、あえて距離をとっています。
でもね、そのぶん、焼き場は戦場です。
火と煙と格闘しながら、秒単位で焼きを見極めてます。
■ 郡上の冬、うなぎ屋は泣きながら火を起こす
冬の郡上は寒い。いや、ほんとうに寒い。
そんな中で、朝から炭を起こして焼き場に立つのは、けっこう過酷です。
指先の感覚が戻らないまま、炭の加減を見て、
うなぎの脂のはぜる音を聞いて、
「よし、今日はいい焼きができる」と自分に言い聞かせる。
でも、そんな冬を越えるからこそ、
春から夏にかけての“うなぎ日和”のありがたさが、身に沁みるんです。
■ 郡上でうなぎを探しているあなたへ
「郡上 うなぎ」で検索して、たどり着いてくださったあなた。
こうして出会えたのも、なにかのご縁です。
ここ岐阜・郡上市大和町の「嘉門」では、
古民家の静けさの中で、うなぎが主役の時間をご用意しています。
観光ついででも、ドライブ途中でも、
「うなぎが食べたいな」と思ったときにふらっと寄れる、
そんな場所でありたいと思っています。
■ 店舗情報
📍住所:岐阜県郡上市大和町徳永164-2(平野醸造の敷地内)
⏰営業時間:昼 11:00〜14:00(LO)/夜 17:30〜19:00(LO)※平日夜は予約制
📞電話番号:0575-75-1145
📷Instagram:@jiyakiunagi_kamon
✖️X(旧Twitter):@kamon_unagi
📅定休日:水曜日、第2・第4木曜日
また、うなぎの裏話が書けたら続けますね。
読んでくださって、ありがとうございました。
— 嘉門 店主