【せせらぎ街道×夏旅】涼を走り抜けてたどり着く、酒蔵の中の地焼きうなぎ専門店『嘉門』

郡上八幡から高山方面へと続く山あいの道、「せせらぎ街道」。
その名の通り、道のすぐ脇には澄んだ川が流れ、耳をすませばせせらぎと蝉しぐれ。
夏の太陽が照りつける中でも、木陰と清流に守られたこの道は、まさに天然の避暑地です。

ハンドルを握る手がふと緩むような、そんな穏やかで美しい風景の先。
旅の締めくくりに、いや、ご褒美にしてほしい場所がひとつあります。

それが、郡上市大和町・平野醸造の敷地内に佇む**地焼きうなぎ専門店「嘉門(かもん)」**です。


■炭火と水がつくる、“忘れられない一膳”

当店「嘉門」は、かつての酒蔵の社長宅を改装した古民家にあります。
焼き場は母屋から少し離れた場所に。炭の熱と真っ向から向き合うための空間です。

焼き始めるのは、ご注文をいただいてから。
うなぎはまず「古今伝授の里」から湧き出る清水でじっくりと泳がせ、
余分な脂と雑味を抜いてから、炭火でじっくり丁寧に、皮目をパリッと香ばしく、
身はふっくらと。焼きと蒸しを使わず、焼きの技一本で仕上げる「地焼き」です。

タレは、郡上の**畑中商店さんの「隠し地溜まり醤油」**をベースに、代々継ぎ足し。
かつて身内しか使えなかった濃厚な溜まり醤油を、うなぎの香ばしさとともにお楽しみください。


■夏のドライブに、心と体のごほうびを

せせらぎ街道の夏は、クーラー要らずの涼しさ。
車窓を流れる緑、渓流に映る陽射し、時折聞こえる鹿やカエルの声。
その自然のリズムに体をゆだねたあと、嘉門で迎えるのは、炭の香りとタレの甘やかな匂い。

焼き立てのうなぎと美味しい古今伝授の水を口に運んだとき、
旅の疲れがすっと引いていくような、そんな瞬間をお届けしたいと思っています。

食後は、冷房のきいた畳の間でしばしの休息を。
夏休みのひとコマのような、どこか懐かしくて心地よい時間が流れます。


■SNS映えする古民家空間と映える重箱

店内は、梁を残した落ち着いた空間。
酒樽を活かしたインテリアや、土間のような雰囲気もそのままに。
料理が運ばれてくるまでの時間すら、旅の一部です。

うな重の紅と黒のコントラスト、蒸気の立ちのぼる瞬間、
そして何より、炭火で焼き上げた皮の“パリッ”を閉じ込めた重箱の蓋を開けるワクワク感。

Instagram:@jiyakiunagi_kamon
X(旧Twitter):@kamon_unagi

旅の記録を、ぜひ#嘉門うなぎ とともに。


■アクセス・営業情報

📍 岐阜県郡上市大和町徳永164-2(平野醸造敷地内)
📞 0575-75-1145(ご予約優先)
🕰️ 昼:11:00〜14:00(L.O.)/夜:17:30〜19:00(L.O.)
※平日夜は【完全予約制】となっております
❌ 定休日:水曜・第2・第4木曜
🅿️ 駐車場あり/せせらぎ街道(国道472号)から車で約5分


■おわりに 〜夏の郡上に、一本の記憶を〜

せせらぎ街道を抜けた先に、こういう“余白”があってもいいと思うのです。
スピードを出すでも、絶景に圧倒されるでもなく、ただ流れる水の音に耳を傾ける。
そして、その静かな時間の先に、嘉門のうなぎがある。

火照った体に染みわたる香ばしさと涼しさ。
焼き場の熱、客間の涼、炭火と水。すべてが夏の記憶を鮮やかにしてくれます。

せせらぎ街道と嘉門。自然と料理、涼と熱、静けさと香ばしさ。
その対比を、五感で味わっていただけたら、うなぎ屋としてこれ以上の幸せはありません。